2008年06月14日
落ちるな! 3steps to catch

仕事も終わり深夜屋上に上がり、海に向かって腰を下ろし今日の一日を顧みる。
遠い水平線の向こうには大きな船の灯りがかすかに見え隠れし、北へと追い風にのって北上しているのであろうか。
蛍の冷光が2つ、宿の敷地にゆっくりと降り立つ。
東の空では雷雲が空をゆっくりと浸食しはじめている。
それはゼウスの悪戯か、雷獣の羽ばたきの為か、稲妻がフラッシュライトの様に辺りを照らしては消え、その後3万℃にも達した空気は、膨張し真空状態となる。そして衝撃波と冷たい空気が流れ込む際の振動とによって虫達の鳴き声・波音しか聞こえない静寂を破る轟音を残す。
今はまだ頭上を覆っている今にも落ちてきそうな満天の星空を少しでも見上げていよう。
近所のオジィは最近忙しいみたいで、ここ二日ほど空き時間が2時間だけでもあると時化気味の南海岸へ一人竿を持って黄昏に行く。
自分にとって南海岸とはイムギャーを中心に西に上野ドイツ村から東へ保良までを意味するのだが、釣りに関しては七又から保良までの隆起サンゴ礁の断層海岸を意味する。
高さ30メートル前後の切り立った断崖が海へと垂直に落ち込み、その断崖の先端に腰を下ろし遠投竿を打ち込む。
高所恐怖症だった自分にとっては未だ慣れない釣り場なのだが、その恐怖よりも自然の壮大さに圧倒され自身の存在のちっぽけさを再確認してくれる今となっては必要不可欠な場所になっている。試行錯誤を何度も繰り返し根掛かりしないように仕掛けを改良し続け、釣れる潮廻りや時間帯、気圧の変化なども頭の中にインプットしてきた。
釣れそうな条件が揃うと、この断崖からの釣りには3つのステップが必要とされる。
まずは根掛かりの少ない50メートル以上先の半径3メートル程のポイントに餌を打ち込み、アタリがあれば数メートル走らせた上で確実にフッキングさせドラグを少し締める。
魚はとにかく根に突っ込んで逃げようとする。ドラグはこれ以上締めると自分の身体ごと海に持っていかれそうになるぎりぎりに合わせてある。何度かの突っ込みに耐えて漸くリーフの上まで浮かせる。
2番目のステップは30メートル程ある浅いリーフの上を足下まで魚を寄せていく。
上手く魚を浮かせリーフの上まで引き寄せると眼下にその大きな巨体を現し、何の魚なのかだいたい目視出来るようになる。ただリーフには切れ目が縦横に走っており、体力のある大きな魚は何度でもその切れ目に逃げこもうと最後の力を振り絞って抵抗する。
それも上手くかわしたら残るは最後の3番目のステップのみ。
普通ならこの時点で残すはタモで掬ってガッツポーズと行きたいところだけど、ここはそんなに甘くない。
足下まで寄せるだけでも相当に体力を消耗してロッドを持つ手、リールを巻いている右手は感覚がなくなりかけている。
足下まで寄せた魚を今度は30メートル上の絶壁頂上の釣り場まで引き上げなければならない。その際に絶壁のぎりぎりの所まで身体をせり出さなくてはならない。
それから真っ直ぐに手を伸ばし、道糸を竿からたぐり寄せ、竿は邪魔にならない場所に置く。ここからが最後の勝負だ。
海面まで伸びている道糸をゆっくりとたぐり寄せると、突然に両腕に負荷がくる。
魚が海面から少し浮いたからだ。大きな魚だと五キロ以上はたいがいあるだろう。最近は活性が良いのか片手で持てない程の魚が多くなってきた気がする。
渾身の力を振り絞って右手でゆっくり引き上げながら左手は巻き上げた糸が手から滑り落ちないようにしっかりと掴んでの繰り返し。何十回と繰り返すなか、糸が断崖に擦られているのがわかる。風速10メートル近い風が全身に打ち付け、足下で砕けた波のしぶきが数十メートル上の断崖ぎりぎりに立つこの身体までも濡らしている。
「あと数メートル、もう少しだ」っと自分に言い聞かせた瞬間ふっと道糸が切れ、呆然・放心・絶望感に襲われる・・・・・
魚に近いハリスや道糸はこれまでのファイトの中で充分過ぎるほど根やリーフに擦られて傷ついていたのであろう。そしてすぐ足下の岩によって儚くも切れてしまう。
おじぃや友人にここ最近の話をすると「落ちるなよ!魚よりも命が大切だ!」っと叱られてしまう。餌代400円、ガソリン往復500円弱、自分の命プライスレス。
判ってはいるけど、あぁ~止められないだろうなぁ・・・・・・
自らデザイン監修したサンドストーンによる両面レリーフが出来上がった。また2つの睡蓮鉢には色とりどりの熱帯睡蓮を入れて育てている。
睡蓮たちも真っ直ぐに凜と優しい花を咲かせ、共にお客様をお迎えするだろう。
宮古島のホテルはプライベートリゾートホテルレンへ
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この記事へのコメント
ホント、命だけは大事にしましょう!この度の地震で釣り人が亡くなっていましたね〜さすがに地震は予測がつかないけど。。。ご冥福をお祈りします。
お互い気を付けましょ〜!
お互い気を付けましょ〜!
Posted by たけし at 2008年06月16日 22:13
気をつけましょうね~!
Posted by padoma at 2008年06月18日 19:31


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