2008年06月10日
violate the border

正気と狂気、狡さと弱さ。
心のわずかな隙間が、惑乱さする未来を面憎い程に引き連れてくる。
今夜も数知れぬ命がニュースやテレビで報道されることなく、人知れず消え去っている。
人は囁く。
そんなにも苦しいのなら時には恥もプライドも捨てて、逃げればいい。
それに妥協も必要だと。堕ちたら大地が受け止め、人生いつ何時、またやり直せると。
明日の太陽を信じられなかった儚き人達は、自らの命と引き替えに何の光を手に入れたというのか?
「お前、泣いていいんだよ」
「いや、まだ、まだちゃんと生き抜いていないから間際まで涙腺を縛ってあるんだ。最期に泣き笑いするためにな。」
「泣くから笑えるんだ。泣かなければ心から笑えない」
「陰陽・清濁・天使と悪魔、確かにそうかもしれない。その時が来れば栓も吹っ飛ぶ程勝手に溢れるだろう。」
「いや、準備がそれでも必要なんだ。例えば許す事、自分を、そして人を。」
「時に利己的で欺瞞と偽善に満ちた言葉であり、また決して充足する事の無い人生を安逸し、結果的に不遇や厄難を受諾するための受動的防衛本能に回帰しているだけじゃないのか?」
「確かにその時点では能動的とは言えないかもしれないね。ただ肝心なのは受け入れ許したその後に用意されている包みなんだ。まずその包みに気付き、蓋を開く一握りの勇気が必要なだけ。」
「結局この瞬間、そして前後を照応して今を生きろという陳腐な答えなのか?」
「陳腐な答えではなく、それがこのわずかな人生の中で人間がこれまでに学んだたった一つの真実なんだ。」
「自然淘汰される場合はどうなる?」
「淘汰される瞬間までは、結局みんな一緒なんだよ。」
「心の声を聞け、そして行動しろか・・・・・・・ それだと犯罪者も聖職者も結局は何も変わらないじゃないか?」
「論点をまた外そうとしてるな。ほら、先延ばしにしている事あるだろう?それからまずは片付ければ?」
「ただやけに今夜は蒸し暑いな。」
「言い訳をしないで、さぁ。」
「最後に、一つだけ明日をこの自分に約束してくれないか?」
「この瞬間は間違いなく約束するよ」
「そう言うと思った。」
「笑っていいんだよ、今は。」
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