2009年06月20日
もっと深くへ

もう梅雨明けも近いのだろうか、雲の合間から見え隠れする星空もこちらに囁いてくるかのように光を放っている。亜熱帯の激しく大地を打ち鳴らすスコールを、息をひそめながら窓越しに眺め、止んだかと思うとまた一斉に虫たちが共鳴し合うかのように鳴きだす。
大きな貝を背負ったヤドカリや重たそうに少しずつ身体を動かす大きな蛙、蛍光色を使ってまるで漆黒の闇のキャンパスにフリーペーインティングでもしているかのように流離う蛍達。壁には今年誕生したであろう小さなヤモリ達がまた月に向かって鳴き続けている。

数日前に友人の船に乗せてもらい八重干瀬まで数時間行ってきた。
いつも愛用しているワープフィン、そして最近使っていなかったモノフィンも持参した。
孵化したばっかりの小さな魚の群れが、ずっと近くを泳いでいる。
水面近くには前回の大潮で産卵されたサンゴの卵たちが漂っている。
いつものビーチエントリーから行くリーフエッジより、やはり深い。
もっと深くへ、もっと深海へ、息の続く限り海水に溶けていたかった。

時間さえ合えば未だにおじぃと絶壁の上でいつものくだらない夢物語を延々と語りあっている。
それにしても最近は丸々太ったアカナーばっかり釣れるなぁ~。
いつものことだけど、「これは一番旨いさぁ~、食べるか!?」って聞かれ、「それじゃ俺が捌くから先に食べてよ」っていうと頑なにおじぃは拒否する。
上手に針を抜いてあげたら、元気なうちに海にリリースしている。

そういえば海外からのゲストの方が毎年来て下さっているが、一体何処で宿を見つけてくるのだろうか・・・?去年はロシア・アメリカ・スペイン・韓国・インド辺りだったかなぁ。
今年はチェコから始まる。自分はただゲストの方の最高の笑顔を引き出せるようお手伝いをすること。志は日本国代表の侍でいること。ちょっと大げさ過ぎかな。
プライベートリゾートホテルRENN
2009年06月04日
負けず嫌い


2ヶ月近くぶりの更新だね。
この2ヶ月は振り返れば一年間ぐらいの長さに感じる濃厚な日々だった。
GWも間近になるといよいよ沖縄観光シーズンのピークへと向かい、島も演出をしているのだろうか、後半になるにしたがい太陽に灼かれる時間がどんどん長くなっていく。
ここ数年、島内にもたくさんの民宿やペンション・ホテルが点在している。
既に使い古された言葉に聞こえるかもしれないが、偶然を装った必然的な出逢い、またしても幾度もそう感じてしまうゲストの方々との出逢い。そしてゲストの方同士とのシンクロニシティ。いったい自分自身、どれだけ彼らの笑みに救われただろうか・・・・
またいつの日か近い将来きっと会える、そう信じながら別れの時に精一杯の感謝を込めて握手を繰り返していた。
そんな日々とはまた別に、数々の素敵なイベントが開催され微弱ながらもまた携わっていた。最高なサウンドを皆に届けて盛り上げてくれたhakase-sunと個性的でお洒落なpisara-bar、そしてこれまで若干閉鎖的に活動していた宮古サーファーズが開催した第一回宮古島サーフィン大会。さすがにGWのど真ん中に開催されたこの大会の取材は、半ば意識朦朧としながら真っ白なビーチをフラフラ歩きながら数時間足らずで真っ赤に日焼けして危なかった。新しい血液をもっともっとこの島には取り入れていかなければならない、志さへしっかり各々が持っていればもっともっと魅力的な島へと宮古は変貌していくだろう。そんな声が今の40・50代からよく聞かされるし、自分も心からそう願ってはいる。
インディアンの小連邦、イロコイ族の会議では今でも7世代後の人々の立場を熟慮・尊重して、納得できる結論を得るまで話し合うと聞いている。なんと素晴らしい世界観なのだろう。そういう日が訪れるまで、もう少しだけ尖って生きてみようかな。
そういえば、最近すごい久しぶりに説教をされた。年齢を重ねるに従って格好いいなぁって思う先輩が少しずつだけど少なくなってきている気がしてた。いや、そもそも会社という組織をとっくの昔に抜け個人事業主となり、一人の大人としての責任を担い生きていると思っている今、全て対等とは言わなくても完全なる上からの視線で言葉を投げつける人は本当に親身に思っている人か、完全にselfish devilな人しかいないだろうなぁ。
残念な事に後者は後を絶たずにいるけど・・・
自分も宿もこれからますます進化していかなければならない、既に陽も高く昇った朝8時の街中、大気の微粒子をゆっくりと肺の奥へと吸い込みながら頂いた言葉をしっかりと胸に刻み、歩き出していた。



オジィとの釣りは最近は魚の活性があがっているのか自分一人だけ絶好調だ。
あまりにも悔しいとオジィは大物竿を倉庫から出してきて、お前の見たことの無いぐらいの大きな魚を釣ってみせると言う。オジィになってもこの負けず嫌い、自分は大好きだ。
宿泊はプライベートリゾートホテルRENNへ
2009年04月11日
月光浴

「書き始める事は、書くことよりも難しい。」
誰の言葉だっただろう・・・・・
今、南の海には大きな月が浮かび、木々の影が大地に投影され、また僕を迷妄を破る戦いへと誘う。
見慣れた景色をいつだって月光に、一瞬にして恍然と見入りさせられてしまう。
それにしても今夜はまた特に艶めかしい光だなぁ・・・
今日は頭をすっきりさせる為に、リーフエッジ辺りを2時間以上魚の大群に紛れて一人浮いていた。浮いていたと言っても大潮なので、さすがに流されない様にそして冷えた身体を暖める様にフィンはゆっくりと動かしながら。ただ何も考えず、魚の群れの一片となる様に。
不思議と日中なのに大きなブダイが目の前の珊瑚を背に擬態化して眠っているのか、近くに寄っても動かずにいる。産卵期が近いからなのか、いつにもまして魚の種類、数が多い。
今日は改めて魚にも表情の変化が色々あることを初めて知った気がする。
宮古島でお泊まりはプライベートリゾートホテルRENNへ
2009年04月03日
澄んだ瞳

身体が筋肉痛で悲鳴をあげている。
ここ最近ずっとオジィに馬鹿にされ続けていた。
まだまだ修行が足りないから、魚にこの人(自分)の餌を食べても釣り上げられる事はないから安心されていると・・・・
先月末から魚達の活性が上がってきたのか、何度も何度ももう少しのところでハリスを切られて大物を逃してしまい残念な思いをしていた。まぁ彼らも釣り上げられたくは無いと思うし、絶体絶命最後のフルパワーを使って逃げようとしているので確かに自分より勝っていたのだろう。ラインシステムをもう一度構築し、これまでとは違うより強度のある結び方を学習しまた挑んできた。餌は針掛かりの良い生ダコ。
西の水平線に陽が落ちかけてきた頃、また竿が弓なりにしなりリールからドラグの叫びが鳴り続けている。前回は出て行くラインを無理に止めようとして指を切ってしまったので、グローブを右手に装着して竿を手に取りまずは強烈なアワセを入れる。よしっ、針掛かりは大丈夫、乗ったみたいだ。ドラグを少し締めてポンピングを数回繰り返し、根から離していく。それでも相手は必死に根に突っ込んで締めたドラグからまた道糸が出て行く。
30分近くの格闘の末、釣り上げた魚を横にはぁはぁっと息を切らしながらその美しい身体に見とれていた。大きな、大きな澄んだ瞳は、真っ直ぐに自分を見つめていた。サイズは70センチ弱だった。

年始から作業に取りかかっていたフリーペーパー南島楽宴の第2号にあたるVOL.1が近々発行になります。発行にあたり、本当に紙媒体として必要な情報なのか、もっとリアルタイムなニュースの提供、頑張っているアーティスト達の最良の応援とは?って何度もメンバーでミーティングを重ねてきた。コラムに関しても宮古島内とは別に伊良部・池間・来間在住の方にも情報を発信して貰った。島のコラムニスト・協賛して頂いた方々には特に感謝の気持ちで一杯である。すぐに第3号にまた取りかかる予定だけど、今回は特に文字数が多い紙面だったので、次はよりアーティステックな紙面へ変貌して行く予定だ。
映画・音楽・アート・ミュージックフェス・スポーツフェスとこれから夏に向けてイベントも盛り沢山なので、また新聞では読めないよりローカルな視点からの情報提供が出来れば嬉しく思います。
2009年04月02日
沈黙

随分久しぶりの更新だね。
息つく間も無いほどに特別忙しかったんじゃないんだ。
上手い言葉が見つからなくて、また人の謎語にも幾度となく心を突き刺され、強くなったと思っていた自分は沈黙を保つことが唯一出来る精一杯の事だったんだ。
ウェブログを残しせっせと更新し続ける事が、販促にも繋がるんだよって言葉も時に聞こえるんだけど、僕のここまでの人生は僕が思っていた程そんなドラマティックじゃないことが最近漸く判ってきてね。この事は結構自分の中では相当な発見であり、またかなりショッキングな出来事でもあったんだ。あっでもこれはずっと僕の独り言というカテゴリーに入っている訳だから、そこまで今は気にする必要も無いのかもしれないな。
時計の要らない旅から時計を持たない生活にまた戻り、夕暮れにはいつもの絶壁に腰を下ろし夕焼けに顔を染められているよ。死にそうになりながら海の中で大ダコと1時間近く格闘した日もあったっけ。
そういえば、題名をちょっと忘れてしまったけど、この前観た映画のテーマが「人生とは何かを人とシェアする事、そこに唯一価値を見出す事が出来る」って内容だったんだ。
島を訪れる人達の感動を日々仕事柄シェア出来る事は、とても素敵な事なんだなぁって改めて思ったよ。また今年こそは紙媒体・音でも沢山の人とシェア&リンク出来るようにしていこうと思って日々行動してる。
でも一番は刹那な時間でもいいから、同じ一片の記憶をまだ見ぬ君とシェアしたいよ。
忘れないで、君と同じ月を今夜もまた僕は見上げている。
去年末ロケハン・コーディネートした女優高山都ちゃんの写真集が先週ワニブックスさんから発売になりました。TVドラマなどは普段全く見ないので実際会うまでは彼女の事を知らなかったのですが、福山雅治さん主演のガリレオというドラマなどにも出演している注目の女優さんです。撮影はいつも会う度にその多才さに驚かされるリリーフランキーさん。表紙はかなりインパクトありますが、内容は宮古島の素敵な風景を背景に被写体と共に芸術写真へと昇華している素晴らしい作品の集合体です。自分がいつも黄昏れている場所でも数多く撮影されています。是非機会があれば手にとって見てください。

宮古島でのお泊まりはプライベートリゾートホテルRENN
2009年02月12日
群集

人の群れる街角・スクランブル交差点・誰もいない寂れた公園、落書きだらけのガード下、マンションのベランダには線路や通り沿いに衣服や布団が干してありその数メートル先にはひっきりなしに車や電車がごぉごぉと音をたてながら通り過ぎている。
痛くなるほど首をねじ上げ、流行の高層ビルの先端を見上げた。
若かりし頃、僕は握り締めた500円玉一枚からこの街で生活をはじめ、希望・夢・挫折・恋そして絶望を常に抱きながら数少ない友と笑い悲しみ、それでもいそいそと背中を丸め歩いていた。郷愁の念が込み上げるのかと思いきや、何故か今は何も感じない。
視界に入るモノすべてに無機質を感じるからだろうか・・・・
冬空の色・まるでアンドロイドの様な化粧をした若者・通り過ぎる風までもどこか実体のない寂寞とした光景に感じ、なんだかCGの世界に迷い込んでしまった様な錯覚に捉われてしまう。
とにかく歩こう、僕は短い滞在中出来るだけ歩くことに決めた。
懐かしい街の路地裏はひっそりと静まり返り、時間潰しにバンドのメンバーと明け方まで語っていた喫茶店はもう無くなり、全国チェーン展開をしているカフェに変わっていた。
それにしても寒い・・・・ 冷たく乾いた風は容赦なく顔に突き刺し、眼からは涙が流れ続けている。ホームで最終電車を待つ男女。女の子はマフラーをぐるぐる首から肩に巻きつけ、その後ろ姿を男の子は震えながら黙って抱きしめていた。ふっと女の子が振り返りながら男の子に呟く。「あったかいね」
お世話になっている方々の挨拶回りを終え、現在製作中のフリーペーパーの取材に向かった。懐かしい顔に囲まれた打ち上げの席、ライブの高揚の為かまた自分もステージに立ってみたいなって心の中で思った。人は道でも電車でも見ず知らずを装ってはいるけれど、あの時の僕のようにいつだって温もりを求め探し続けているんだと思った一夜だった。
さぁ次は南へ、もっと遠くへ、赤道までも越えて初めて歩く道へ向かおう。
2009年01月17日
もっと遠くへ

息を潜めて話す様に、景気の影響や今後の仕事の趨勢について幾たびも同じ話をループしている。クリスマスそして正月と、時とお金だけは目にも留まらぬ早さで過ぎ去っていくのは皆同じだろう。
去年一年を振り返りながら、どれだけこの島をそして宿を泊まっていただいたゲストの方々に印象付けれたか反省も踏まえて考えていた。まだまだ自分に出来ることはあるのではないか?もっとワクワクするような演出があるのではないか?必要の無い不自由や自分に対しての気遣いを強いてはいなかっただろうか・・・・自問自答は終わる事はなく、見上げればフルムーン、一人懐中電灯を持ちながら、また花を沢山咲かせたリーフエッジまで深夜厚着をして向かい延々と潮が満ちてくるまで歩き続けた。
昼間と違ってすぐに出会うシャコ貝・栄螺に島ダコ、イノーに取り残された魚達、白化していく枝珊瑚、彼らと言葉を交わせれば一体どれだけの罵倒を浴びせられるのだろうか・・・
大きな50センチ近くのミーバイはリーフに擬態して眠りについている。
今晩の夕食の際にゲストに提供する必要最低限だけの海の恵みを頂く事にしよう。
思い出せば、去年は看板を何故出さないのか??っとよく聞かれたなぁ。
NTTに問い合わせても、最新のナビゲーションシステムにも載ってない、そんな宿があっても良いではないだろうか。自分の旅とは迷う事から全てが始まった。わざと迷わしている訳ではないけど、快適だけの旅なんて快適なはず無いよね。
迷ったら道行くオジィ・オバァ・少年達に声をかけてみよう。思わぬ土産話が生まれるかもしれないね。せっかくの旅なんだからナビに頼らず地図を両手で広げてみよう。
偶然を装った必然的な出会いはナビの上ではなく、地図の上そして人と人の間に隠されている。漸く辿り着いた宿では、黄色い笑顔でお帰りなさいと迎えてあげたい。
そして心を込めて焙煎した暖かい無農薬のコーヒー・紅茶・オレンジジュースでまずは一息つきましょう。
また去年は旅行誌、情報月刊誌、女性月刊誌など様々なメディア媒体から宿の取材のオファーを嬉しい事に頂いた。
沢山の人に宿の事を知って貰う、稼働率の事を考えれば広告出すよりも何よりも嬉しい事だろう。でも、何かの拍子に、たまたまクリックした偶然に、血眼になって探し続けた先に見つけ出して頂いた方々との出会い、これはもう感謝の一言に尽きてしまう。
去年はそういったゲストの方々との約束もあり、全ての取材は丁重にお断りさせて頂いた。
そんなとき文芸誌であるEN-TAXIが届けられた。その中にはRENNでの滞在中に見上げた宮古島の星空の事、笑い続けた終わりのない宴などの事が書かれていた。
勿論文章内には広告や宣伝なんて載っていない、RENNを知らない方が読んだらまず宿の特定はなかなか難しいだろう。でもそれがとっても居心地良い。それに初めての雑誌が文芸誌なんて、なんて嬉しいことだろう。機会あればとても深い読みごたえのある雑誌なので、是非手にとって貰いたい。
昨夜まで続いた友人の店舗のリニューアルにともない、昼間から深夜までペンキまみれになりながら二日間作業を続けていた。普段使わない筋肉を使いすぎたのか、いい感じで身体が痛い。歳を感じるなぁ~(笑)
今年はもっともっと遠くへ、ずっと遠くへ行きたい。
2008年12月11日
月夜


天と地の被覆線として幾層にも重なる雲。道端に群れている金色の穂を揺らす風は、もう遙か遠くに行ってしまった太陽の前をまずは低層の者達から横切らせ水平線へと流していく。
見え隠れする空の色は、子供が12色のクレバスでお絵かきでもしたかのように、本当に空色だった。
今夜から渚は月に惹かれ、リーフにはまた沢山の花が咲き出す。
先月末から缶コーヒーを一緒に飲みながら、暦を何度も確認し、近所のオジィと深夜に漁りに行く約束をしていたのを思い出した。ここ数日の夏日みたいな夜ならば、寒さに恐ろしいほど弱い自分でも大丈夫だろう。
屋上に上がり、こんな夜は月をゆっくり眺めよう。そして明日はまた光を目指そう。
hotel renn
2008年11月15日
年を取る


最近街ですれ違う人々に「魚が最近釣れてないの?」と聞かれる。
「どうして?」って聞き返すと、ここずっとブログを更新してないからだと口を揃えて言う。釣りに行く時間が無いほど忙しかったのも確かだけど、最近掌を10針近く縫う怪我をしていた。我ながらなんと情けないことか・・・・・ もう少し傷が深ければ小指が動かなくなるところだったけど、もう大丈夫みたいだ。
それにしても時が経つのはなんて早いのだろう、もう気がつけば年末はもうすぐそこに来ている。
満月の月明かりで群青色に染まるサトウキビ畑に囲まれた201号線をゆっくりと車を走らせていた。イムギャーから市街へと続くこの道は片側一車線で道のセンターには太陽に焼かれスコールと台風に打たれて色もだいぶはげ落ちてしまっている灰色のセンターラインがぎりぎり車道を二分している。
そのセンターラインの真ん中に子犬が座っていた。道を渡ろうとしているわけでもなく、寝てもいない、ただ怯えた眼差しで車が近づいても動こうとはしない。
深夜に車を走らせると、泥酔した人・犬・猫・カニ・ヤドカリ・マクガンなどが冷めたアスファルトの上に横たわっていたり、ゆっくりと横断していたりする。
そういう時にはここ宮古もアジアなんだなぁっと昔放浪して回ったインドネシアやカンボジアなどを思い出しながら通過する。ただこの子犬の瞳は何かいつもと違っていた。
ボーア戦争、日露戦争、イタリア・トルコ戦争、第一次・第二次バルカン戦争、第一次世界大戦、ロシア革命、スペイン内乱、エチオピア戦争、日中戦争、南京虐殺、第二次世界大戦、ユダヤ人虐殺、原爆投下、インドシナ戦争、中華人民共和国成立、朝鮮戦争、ハンガリー蜂起、スエズ動乱、中印戦争、印パ戦争、ヴエトナム戦争、ソ連チェコ侵入、第一次・第二次・第三次・第四次中東戦争、北アイルランド紛争、中越戦争、カンボジア内戦、アフガン戦争、イラン・イラク戦争、フォークランド戦争、湾岸戦争、ボスニア戦争、コソボ戦争・・・・・
一体どれだけの人がこの20世紀の争いで地上から消えていったのだろう・・・・・
明るい未来幻想に囲まれて平和ぼけと指をさされながら僕たちはこの20世紀に生まれ育ってきた。戦争の傷を身体に刻まれた人、三世代にもわたる家族を引き連れ紛争から命からがら逃れ亡命してきた人、長い旅路の途中でそんな人達に何度も出会したにも関わらず、何処か頭の中ではリアルさが欠けていた。
未来の人達はこの20世紀を人類の狂気に満ちた最悪な時代と見なすのだろうなぁ。
何故こんな事を考え続けているのか、それはまだ夏空の広がる10月にある言葉に出会したからだと思う。
「Think globally, act locally」
これまで何度かこのスローガンというか言葉には実際書物を通したり、人の言葉として出会している。
地球的な視野でものごとを考え、地域的に行動していこうという一般的な解釈がある。同郷の先輩でもある宮内勝典氏は「惑星的な視野でものごとを考え、それぞれが自分の持ち場で努めるしかない」と解釈している。
さて自分はどうなのだろう・・・・・・・何が出来るのだろう・・・
今年は沢山のイベントに携わってきた。沢山の素敵なゲストの方々とも会えた。
宮古島が大のお気に入りだと言うミュージシャン・画家・俳優・カメラマンなど本物のアーティスト達とも幾度となく語りあった。
今自分はあの子犬の様に21世紀という時代の大海原の中で怯え続けるワケにはいかない。
社会の成長の限界はもう誰の目にも明らかだ。これ以上の快適を求めず、何かしらの文化を生みだそう。各々の実存を再認識し子供や女性達の笑い声に耳を傾け、一回きりの人生を堪能しなくては。
宿の回廊を歩くと大きな蛙が2匹じっと自分を見つめているかのように座っている。
昔ある少女が自分に「蛙は、向かって来るモノしか見えない。だから未来しか見えないんだよ」って言ってた。
僕はその少女の真っ直ぐな瞳を守れるのだろうか・・・・
「Think globally, act locally」
「惑星的な視野でものごとを考え、自分と繋がる全てのモノに耳を傾け歩いていこう」
それが今の自分の解釈である。
p.s.
これまで、そしてこれからのイベントの報告は少しずつしていこうと思う。
プライベートリゾートホテルRENN
2008年10月04日
僕たちは逃げない・諦めない、何故ならそれが当たり前だから・・

なんと潔い空なのだろう。
久しぶりに島もこのカードを使ったのかと物思いにふけながら、紅に染まる街をゆっくり車を走らせていた。こんな空を見上げると、島が生死について語りかけてくるように何故か不思議と思う。
気づくと車内にはプルメリアの苗木2本、釣り竿・フライヤー・サーフボード・シュノーケルセット・ウェットスーツとなんだか大きな移動おもちゃ箱になってきている。
ただ残念な事にここ最近海には行けてはいない。
先月は次から次に訪れる大型台風に追われる中、ゲストの方と共に朝一番にキャンセル待ちのリクエストをかけるために空港に車を飛ばしたり、固定するのを忘れた屋上テラスの椅子がこれまた飛んだり、翌日には毎回潮がべっとりと張り付いた南側の窓の洗浄や潮で真っ赤になってしまった芝などの対応に忙しく動き回っていた。
そんな台風の中でも凜として咲き続けてくれた睡蓮、プルメリア、ローゼルの花達は最後には風と一緒になって儚くも散ってしまった。今はゆっくりと体力を回復して欲しい。



そんな台風が押し寄せる9月末のイベント2つは天候にも恵まれ、嬉しい事に大盛況に終わった。配給会社側のスタッフ無しでの舞台挨拶に、リリーさんは3回も宮古島の映画ファンの為に壇上に立ち映画にまつわるエピソードから下ネタまで数々の素敵な話をして頂いた。また東京からわざわざ自身のマーティンのギターも持って来てくださり新曲まで聴かせて頂いた。TOKYO No.1 SOUL SETのDJ川辺さんは、前日には沖縄本島で4000人相手にターンテーブルを回していたのだが、宮古ではムジカバーの箱一杯の140人の為に熱い夜を演出してくれた。
また近い将来素敵なイベントを企画出来れば良いなぁ。
2008年09月10日
島内無料配布スタート

突然の地震、そして大型台風の直撃コース。
地震はLA大地震を経験以来、ついつい過敏に反応してしまう。
南の空からは真っ黒な雨雲がたちこめ、潮の飽和した風が全身に打ちつけてくる。
こんな夜は息を潜めながら、眠くなるまで溜まっていた本を読もう。
漸くミュージック&カルチャー、そしてサマータイムをテーマにフリーペーパーの配布を始めた。関東や関西・そして沖縄本島にも配布予定、また予算も限られていたので今回は部数も少ないけれど、もし見つけた方は是非手にとって頂きたい。
A4にしてたった6ページしかない紙媒体だけど、創刊に至るまでに色々な出会いがあり沢山の方に協力して頂いた。
「手元に残しておきたいジン」っていつの日か言われるように試行錯誤しながら、今後も続けていこうと思う。
宮古島での宿はプライベートリゾートホテルレンへ
2008年09月07日
虫との戯れ

沢山の虫や鳥たちがやってくる。
毎日館内に迷い込んだ虫達の救出作戦でかなりの時間を費やしている気がする。トンボやコオロギを何匹も捕まえては外に逃がし、何故かひっくり返って今にも蟻の餌になりかけているカナブンも捕まえては逃がし、何種類もの蝶・時に蛍までもやってくる。そういえば月日が移り変わり、迷い込んで来る虫達の種類も変わってきている気がする。トンボは7月は赤トンボが多かったのだが、今は黒や細い形のトンボに変わってきている。小さな赤ちゃんヤモリはハエや小さな蛾などを捕食しようと駆けずり回っている。忘れていたが、大きな蛙のカップルがいつも回廊で黄昏れている。玄関脇のレリーフの上には毎晩青い鳥が身体を休めにやってくる。美しい青い睡蓮が咲いている鉢には、水浴びに鳥や虫達もやってくる。
夜、耳を澄ませばもう秋の虫の鳴き声が共鳴しあっている。
もう少ししたら、泳ぎに行こう。
リリーフランキーさんよりビデオメッセージが届きました。
↓クリックしてください。
http://dogalog.excite.co.jp/viewvideo.jspx?Movie=48367667/48367667peevee198512.flv
上映会及び舞台挨拶のイベントのチケットも残りわずか、参加ご希望の方はお早めにシネマパニック宮古島までご連絡を。
宮古島でのお泊まりはプライベートリゾートホテルRENNへ
2008年08月27日
TOKYO NO.1 SOUL SET

大型タンカーがゆっくりと水平線に沿って南下しているのをまた一人絶壁の上から眺めていた。もちろん横には打ち込み遠投竿が一つ、夕焼けに染まる高い空に向かって伸びている。突然竿が弧を描き海面へと穂先が刺さるように揺れている。
きつめに締めたドラグから道糸が凄まじいスピードで出て行く。
こ、これはでかい・・・・ 合わせを入れるために竿に手を伸ばし、道糸に手をかけ思いっきり針が刺さるように合わせを入れたら、あまりにも強い引きの為に身体が引っ張られて崖から落ちそうになった。それでも何とか耐えてみた。
まるで漫画みたいに海老反りに身体を反らして魚の引きに踏ん張って耐えていると、真後ろにジョギング姿のおばぁが立っていた。魚の大きさ、引きの強さ、崖の高さよりも、誰もいないはずの真後ろにおばぁが立っているのが何よりもびっくりした。そんなびっくりしている自分の姿を見ながらおばぁは笑いながら「驚かせてごめん、ごめん」と言いながら隣にやってくる。
おばぁは「何の魚だろうね~きっと大きいさぁ」
「そうだね、多分10キロ近くはあるアカナーとかムネアカクチビかもしれないね」
「私もこの前大物をかけたけど、足下に潜られてあげられなかったさぁ~」
おぉ~このおばぁは現役大物釣り師なのか・・・・
釣りのポイントの話から世間話までしながら糸を張り詰め耐久戦へと持ち込んだのだが、結局魚との力の戦いに敗れ、根に潜られてしまった。
昨日告知した9月21日のリリーフランキーさんのトークイベントの翌日22日の夜、TOKYO NO.1 SOUL SETのDJ川辺さんがムジカバーで宮古島を揺らします。http://www.t1ss.net/index.html
世界に誇るDJとして知られる石野卓球とのユニット”InK”の結成もあり、最近では小泉今日子のニューアルバムに参加するなど日本を代表するDJ・サウンドプロダクションとして誰もが認める彼のサウンドに一緒に酔いしれましょう。
これまた誰もが知っているであろうシークレットゲストの参加も・・・・・
ますます宮古島のミュージックシーンが面白くなっていきそう。
場所: MUSICA BAR 75-5520(問い合わせ)
時間: open/start PM 8:00
料金: ¥2000(w/1drink)
opening DJ: MIYAKO-ISLAND crew
今夜はまた蛍がパートナーを探して深い夜空の中を彷徨っている。
宮古島でのお泊まりはprivate resort hotel rennへ
2008年08月25日
リリーフランキー来島決定!!

あまりにも時の流れが早すぎて、未だ何かははっきり分からないけれど何処かに何かを置き忘れているような感覚に最近囚われてしまう。それでも島の太陽はまだまだ容赦なく大地を照りつけ、空と海は何処までも碧い。
脳裏にはゲストの方々の笑みだけがはっきりと深く刻まれている。
長らく取りかかっていたフリーパーパーが漸く仕上がった。
宮古島のミュージック&カルチャーをどんどん盛り上げていきたい、そんな思いから生まれたこの創刊号では、ミュージシャンとしてはTOKYO NO.1 SOUL SET・ハーベスタ・宮古島初のスカバンド「ディスカルズ」のインタビュー、そして映画では「ぐるりのこと」主演リリーフランキーさんからコメントを頂いた。記事は当然宮古絡みの独占インタビューなのでなんとも贅沢な創刊号だなぁって我ながら思う。またコラム欄では生粋の宮古人から移住者、遠方ではフランスのパリ在住の方まで書いて頂いた。折り込み作業が終わり次第島内の飲食店や宿などからまず配布する予定なので、見かけたら是非手にとって読んで貰えたら嬉しく思います。
また別件での告知ですが、フリーペーパーでも取り上げている本年度NO.1と噂されている映画「ぐるりのこと」の宮古島上映が度重なるシネマパニック宮古島オーナーとの打ち合わせの結果、ついに決定致しました。
そしてなんと、リリーフランキーさん自身が宮古島までわざわざ来島されトークイベントを開催致します。大都市だけで行われている華やかな映画の舞台挨拶、宮古島に住んでいるとテレビの中の遠い出来事の様にしか目に映ることはないと思いますが、それが宮古島で現実になります。日時は9月21日、シネマパニック宮古島にて上映後トークイベントを開催致します。来てくださった方々が非日常の楽しい時をご家族や恋人達と過ごし(もちろんお一人様での贅沢な時間も素敵)、リリーフランキーさんをもっともっと好きになって貰えるような楽しいイベントになるように頑張ります。なんか都会の舞台挨拶とは一味違う、スペシャルな時を一緒に過ごしましょう。もしかしたらリリーさん以外にもシークレットゲストの飛び込みがあるかも・・・・・
入場には整理券が必要となり枚数が限られていますので、また近々決まり次第詳細をお伝えいたします。
宮古島でのお泊まりはプライベートリゾートホテルRENNへ
2008年08月06日
ちびっ子days

夕焼け空を車の右側半分に浴びながら街路樹のフクギがマニラ椰子に変わっていくのを眺めていた。
燃費などは特に気にしたことはないけど、車の速度は気がつけば40キロ以下を維持しながら走っている。
小学生が下校途中なのか、制服姿で歩道から通り過ぎる車を眺め身体を車道に乗りだしている。
「このちびっこは車道を反対側に渡りたいのか・・・・」
速度を更にスローダウンして目で合図を送ると、笑いながら子供が車の前を通り過ぎて反対側の歩道へと駆け足を始めた。
ちびっ子が渡りきったのを確認しゆっくりとアクセルを踏みながら走り出そうとすると、突然ちびっ子は振り向き
「ありがとうございました!」
って声を上げながら頭を下げる。一瞬の出来事にびっくりしてしまった。
そしてまた別の日に市街地で用事を済ませ南に車を向かって走らせていると、おばぁの運転する車が脇道から停止線を越えて飛び出し、接触したのか自転車と子供が横倒しになっている現場を見た。
車の進行方向に横倒しに倒れていたが、接触はなく子供が驚いて自ら倒れたのかもしれない。
おばぁの運転する車なので法定速度内だとは思うが、どっちにせよ車道まで覆い茂った草が死角を生み測道を自転車で走っていたちびっ子に気づかなかったのだろう。
おばぁは横倒しになった子供を見て、余りにもショックだったのか未だに座席できょとんとしている。
まずは子供に怪我がないか確認するのが必要だろ?って思いながら車を自分も測道に寄せて停止する。
同じようにこの事故を目撃し心配したのか、前後数台の車も速度を落として路肩に止まろうとしていた。
そこでちびっ子はさっと立ち上がり、自転車を起こしまだ動けないおばぁに向かって
「すみませんでした~!」
って頭を深く下げている。
おばぁは子供が無事なのを確認して安心したのか漸くドアを開けて子供を気遣う仕草を始めていた。
う~~~ん、どういう教育を受ければこんなイノセントなちびっ子に育つのだろうか・・・・
釣りをしているとき、生まれて初めて「おじさん、釣れてる?」って声をかけられ、回りに人もいないしこのちびっ子がオジサンと呼んでいるのは確実に自分の事だろうと七又の絶壁のような絶望の淵に立たされたつい先日・・・・
彼も同じ様にイノセントだったんだろうなぁ。
昨日は友人達がBBQの獲物を狙いに海に行ってきたが、やはり個体数が減っているのか貝もほとんど捕れなかったみたいだ。それにしても最近泳いでいないせいか色白にこの真夏の中戻りつつある。
フリーペーパーのコラム原稿も全て集まり今週末には入稿出来るであろうか。
また来月にはタイミングさえ合えば、有名なアーティストが数名来島してくれるかもしれない。自分自身の創作活動もしっかり続けなければとスコールに打たれながら思っていた。
プライベートリゾートホテルRENNへ
2008年07月21日
innocent eyes

早くも7月の下旬である。
嬉しい事に日々沢山のゲストの方達とお会いでき、ブログ更新も遅れてしまうほどに旅の一脇役者としても楽しい時間を一緒に過ごさせて頂いている。
それにしても偶然を装った必然的な皆さまとの出会い、そしてシンクロニシティの連続には当初期待はしていたにも関わらず、こんなにも続くと心からこんな小さな宿を見つけて選んで頂いた皆さまには主としては本当に感謝の気持ちのみそれ以外に言葉は無くなってしまう。
ゲストの方の真っ白な身体が数日にして真っ赤に日焼けして、最後お帰りの際に握手をするとき子供の様な少年・少女の瞳になって戻られる。あぁ~素敵な事だなぁ。
そんな毎日の中でも空き時間そして寝る時間を削って現在仲間達と取り組んでいる宮古島のミュージック&カルチャーを盛り上げようとする活動もまた、自分にとってはまた出会いと発見の日々であり一日も早くみんなにガイドブックや無料マガジンとは違った視点からの媒体で宮古をどんどん紹介していきたいと思う。
先日はシネマパニックのオーナーと映画上映中に打ち合わせ兼ご挨拶に行き、映画館離れがどんどん進むこの時代の流れの中、だからこそあえて映画を見に行くというかつてはごく普通の日常や恋愛などの一部だった事が今となっては贅沢かつ計画的な催しとなり、それに見合った新しい映画館のステータスの構築やイベントをコラボレート出来ないかとお話を伺ってきた。チャンスがあれば近々なにか一緒にイベントを作れるかもしれない。
明日は久しぶりの一日だけのデイオフ。メンテナンス作業が終わった後には何処で黄昏に行こうか。
宮古島でのお泊まりはプライベートリゾートホテルレンへ
2008年07月15日
2008年06月22日
花の名

僕達は笑い死にするくらい、発展性も未来も無いようなくだらない会話だったけど少年の様に何の屈託もない笑みに包まれていた。
乳白色の月が太陽に照らされ、東の空からゆっくり南の空へと登っている。
南海岸そしてインギャーは淡いそんな月明かりに照らされ、水平線の彼方まで海上に一線の光の道を作り出している。
楽しい宴はあっという間に過ぎ去り、時計はもう既に新たな日を刻み始めている。
僕ら4人はオート三輪に乗り込み、海岸線を七又方面へと走らせる。
南風は優しく頬を撫で、虫達は絶命すら厭わないかの様に月、波、風と共鳴し、この夜に捧げているかのようにすら感じる。
潮汲場に着いた僕たちは、月明かりだけを頼りに断崖のエッジへと一歩ずつ足下を確かめながら歩いた。
同じ月を僕らは見上げ、僕ら4人の影は太陽に映し出されたかの様に足下から伸び、もう誰も口を開いて話そうとはしない。
後ろには風量発電の2基のプロペラがゆっくりと南向きに廻り、プロペラが風を切る音が一定のリズムを保ちながら聞こえてくる。
どれだけの時間が過ぎ去ったのだろう、未だ言葉を発せずとも皆一緒に停めてあるオート三輪へと向かう。
僕は運転席に座り、キーを差し込みイグニッションを回す。
「プル・・プルル・・・・・・」
メンテナンスを怠っていたせいか、バッテリーが上がってしまっている。
幸いここは坂が近いから、皆で押しがけしてエンジンをかけてみよう。
少し坂を後ろ向きに登らせ一斉に4人で押すと、勢いよくオート三輪は走り出し、僕は運転席に飛び乗りギヤをセカンドにシフトする。
しかしエンジンがかかる様子もなくまた同じ位置に戻ってきてしまった。
まだスピードが足りないのかもしれない。時間も深夜だし次にトライしてダメなら応援を呼ぼう。残された一番の急勾配は崖に向かった10メートル程の短いアスファルトだ。
ゆっくりと皆で方向転換をさせ、このラストチャンスに賭け合図と共にいっせいに押した。
オート三輪はスピードを徐々に上げ、残り2メートル程の所でもう一度ギヤをニュートラルからセカンドにシフトする。
それまで機嫌の悪かった彼女は夜の静けさを打ち破るように勢いよくエンジン音を響き渡らせた。
「やった~~~!」皆が一斉に子供の様に叫んだ。
さぁ梅雨も明け、2008年の夏がもう既に始まっている。
http://www.t1ss.net/blog/2008/06/20/#002049
2008年06月14日
落ちるな! 3steps to catch

仕事も終わり深夜屋上に上がり、海に向かって腰を下ろし今日の一日を顧みる。
遠い水平線の向こうには大きな船の灯りがかすかに見え隠れし、北へと追い風にのって北上しているのであろうか。
蛍の冷光が2つ、宿の敷地にゆっくりと降り立つ。
東の空では雷雲が空をゆっくりと浸食しはじめている。
それはゼウスの悪戯か、雷獣の羽ばたきの為か、稲妻がフラッシュライトの様に辺りを照らしては消え、その後3万℃にも達した空気は、膨張し真空状態となる。そして衝撃波と冷たい空気が流れ込む際の振動とによって虫達の鳴き声・波音しか聞こえない静寂を破る轟音を残す。
今はまだ頭上を覆っている今にも落ちてきそうな満天の星空を少しでも見上げていよう。
近所のオジィは最近忙しいみたいで、ここ二日ほど空き時間が2時間だけでもあると時化気味の南海岸へ一人竿を持って黄昏に行く。
自分にとって南海岸とはイムギャーを中心に西に上野ドイツ村から東へ保良までを意味するのだが、釣りに関しては七又から保良までの隆起サンゴ礁の断層海岸を意味する。
高さ30メートル前後の切り立った断崖が海へと垂直に落ち込み、その断崖の先端に腰を下ろし遠投竿を打ち込む。
高所恐怖症だった自分にとっては未だ慣れない釣り場なのだが、その恐怖よりも自然の壮大さに圧倒され自身の存在のちっぽけさを再確認してくれる今となっては必要不可欠な場所になっている。試行錯誤を何度も繰り返し根掛かりしないように仕掛けを改良し続け、釣れる潮廻りや時間帯、気圧の変化なども頭の中にインプットしてきた。
釣れそうな条件が揃うと、この断崖からの釣りには3つのステップが必要とされる。
まずは根掛かりの少ない50メートル以上先の半径3メートル程のポイントに餌を打ち込み、アタリがあれば数メートル走らせた上で確実にフッキングさせドラグを少し締める。
魚はとにかく根に突っ込んで逃げようとする。ドラグはこれ以上締めると自分の身体ごと海に持っていかれそうになるぎりぎりに合わせてある。何度かの突っ込みに耐えて漸くリーフの上まで浮かせる。
2番目のステップは30メートル程ある浅いリーフの上を足下まで魚を寄せていく。
上手く魚を浮かせリーフの上まで引き寄せると眼下にその大きな巨体を現し、何の魚なのかだいたい目視出来るようになる。ただリーフには切れ目が縦横に走っており、体力のある大きな魚は何度でもその切れ目に逃げこもうと最後の力を振り絞って抵抗する。
それも上手くかわしたら残るは最後の3番目のステップのみ。
普通ならこの時点で残すはタモで掬ってガッツポーズと行きたいところだけど、ここはそんなに甘くない。
足下まで寄せるだけでも相当に体力を消耗してロッドを持つ手、リールを巻いている右手は感覚がなくなりかけている。
足下まで寄せた魚を今度は30メートル上の絶壁頂上の釣り場まで引き上げなければならない。その際に絶壁のぎりぎりの所まで身体をせり出さなくてはならない。
それから真っ直ぐに手を伸ばし、道糸を竿からたぐり寄せ、竿は邪魔にならない場所に置く。ここからが最後の勝負だ。
海面まで伸びている道糸をゆっくりとたぐり寄せると、突然に両腕に負荷がくる。
魚が海面から少し浮いたからだ。大きな魚だと五キロ以上はたいがいあるだろう。最近は活性が良いのか片手で持てない程の魚が多くなってきた気がする。
渾身の力を振り絞って右手でゆっくり引き上げながら左手は巻き上げた糸が手から滑り落ちないようにしっかりと掴んでの繰り返し。何十回と繰り返すなか、糸が断崖に擦られているのがわかる。風速10メートル近い風が全身に打ち付け、足下で砕けた波のしぶきが数十メートル上の断崖ぎりぎりに立つこの身体までも濡らしている。
「あと数メートル、もう少しだ」っと自分に言い聞かせた瞬間ふっと道糸が切れ、呆然・放心・絶望感に襲われる・・・・・
魚に近いハリスや道糸はこれまでのファイトの中で充分過ぎるほど根やリーフに擦られて傷ついていたのであろう。そしてすぐ足下の岩によって儚くも切れてしまう。
おじぃや友人にここ最近の話をすると「落ちるなよ!魚よりも命が大切だ!」っと叱られてしまう。餌代400円、ガソリン往復500円弱、自分の命プライスレス。
判ってはいるけど、あぁ~止められないだろうなぁ・・・・・・
自らデザイン監修したサンドストーンによる両面レリーフが出来上がった。また2つの睡蓮鉢には色とりどりの熱帯睡蓮を入れて育てている。
睡蓮たちも真っ直ぐに凜と優しい花を咲かせ、共にお客様をお迎えするだろう。
宮古島のホテルはプライベートリゾートホテルレンへ
2008年06月10日
violate the border

正気と狂気、狡さと弱さ。
心のわずかな隙間が、惑乱さする未来を面憎い程に引き連れてくる。
今夜も数知れぬ命がニュースやテレビで報道されることなく、人知れず消え去っている。
人は囁く。
そんなにも苦しいのなら時には恥もプライドも捨てて、逃げればいい。
それに妥協も必要だと。堕ちたら大地が受け止め、人生いつ何時、またやり直せると。
明日の太陽を信じられなかった儚き人達は、自らの命と引き替えに何の光を手に入れたというのか?
「お前、泣いていいんだよ」
「いや、まだ、まだちゃんと生き抜いていないから間際まで涙腺を縛ってあるんだ。最期に泣き笑いするためにな。」
「泣くから笑えるんだ。泣かなければ心から笑えない」
「陰陽・清濁・天使と悪魔、確かにそうかもしれない。その時が来れば栓も吹っ飛ぶ程勝手に溢れるだろう。」
「いや、準備がそれでも必要なんだ。例えば許す事、自分を、そして人を。」
「時に利己的で欺瞞と偽善に満ちた言葉であり、また決して充足する事の無い人生を安逸し、結果的に不遇や厄難を受諾するための受動的防衛本能に回帰しているだけじゃないのか?」
「確かにその時点では能動的とは言えないかもしれないね。ただ肝心なのは受け入れ許したその後に用意されている包みなんだ。まずその包みに気付き、蓋を開く一握りの勇気が必要なだけ。」
「結局この瞬間、そして前後を照応して今を生きろという陳腐な答えなのか?」
「陳腐な答えではなく、それがこのわずかな人生の中で人間がこれまでに学んだたった一つの真実なんだ。」
「自然淘汰される場合はどうなる?」
「淘汰される瞬間までは、結局みんな一緒なんだよ。」
「心の声を聞け、そして行動しろか・・・・・・・ それだと犯罪者も聖職者も結局は何も変わらないじゃないか?」
「論点をまた外そうとしてるな。ほら、先延ばしにしている事あるだろう?それからまずは片付ければ?」
「ただやけに今夜は蒸し暑いな。」
「言い訳をしないで、さぁ。」
「最後に、一つだけ明日をこの自分に約束してくれないか?」
「この瞬間は間違いなく約束するよ」
「そう言うと思った。」
「笑っていいんだよ、今は。」
宮古島の宿はプライベートリゾートホテルRENNへ



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